滋賀県の農業は全国的に見てもどんな所が秀でているのか
滋賀県の農業と、琵琶湖には密接な関係があります。琵琶湖にはたくさんの河川の水が流れ込んでいますが、出口は瀬田川ひとつしかありません。つまり、滋賀県中の農家が使った除草剤や農薬は琵琶湖に流れ込むわけです。琵琶湖を抱えた県で暮らす以上、京阪神の人たちが飲む水の水瓶として携わっている。だから、しょうもないものを放り込めないというのが、滋賀県で農業に携わる人のプライドです。この思いを抱いているのは農家だけではありません。指導している側のJAや農薬メーカーも、そのプライドを持ち農業に携わっています。
他の都道府県とくらべて生産される農作物の特長
滋賀県の水稲慣行栽培(通常の栽培)の農薬使用回数は14回ですが、環境こだわり米の場合は、半分以下、つまり7回以下となっています。この数値は、他の都道府県と比べても低い数値です。それだけ、環境に対して意識が高い県と言えます。
ただ、生産されている農作物に対しては飛び抜けた特長はありません。一般的に特産品がある地域は、環境や条件的にその農作物しかつくれないことが多いです。しかし、滋賀県は気候も温暖で台風もほとんど来ることがありません。そのため、日本国内で栽培されているメジャーな作物はだいたい何でもつくることが可能です。それが滋賀県の農作物の特長です。
これからの滋賀県の農業の会社としてしていきたいこと
アグリ甲賀は、滋賀県のほとんどの稲作農家との付き合いがあります。今までの連携、技術や情報交換を続け、今後も全員で高めあいたいですね。それからもうひとつやりたいのは、経営面に関すること。滋賀県内では若手中心に稲作経営者会議があり、技術面だけでなく経営に関する話をしています。どうすれば米が売れるようになるのか、その勉強。ただ米を買ってくれと言うのではなく、昔の日本食原点の一汁三菜。和食を見直したり、おにぎりって美味しいよねという角度から見たりする。日本酒やグルテンフリーから米粉、ダイエット中の女性をはじめとする色々な方面の勉強、情報交換を重要視しています。
農業の補助金が減るからこそ、これから必要なのは後継者
農業の補助金は、おそらく減る一方です。そうなったときにも残っていける農業、企業経営をする必要があります。全国、世界に目を向けて勉強すればするほど、自分の目を向けるべきところは世界ではないと感じました。そのためには、もっと足元を固める必要があります。しかし自分1人では湖南市を賄うことは出来ません。だからこそ必要となるのが後継者。アグリ甲賀の後継者ではなく、自分のライバルとなる人も育てていきたいです。